今年(令和6年)のNHK大河ドラマは紫式部が主人公の「光る君へ」。
その主要人物として藤原道長が登場しています。
とある回の本編終了後の紀行コーナーで、藤原道長の住まい「土御門第」の跡が現在の京都御苑の中にあると紹介されていたのを見て訪ねてみました。
写真の通り、案内の看板が立っているのみで邸宅の様子をうかがえるものは残されていませんが、この場所は御苑の西側、清和院御門のすぐ近くです。
この御門から100メートルも行かないところにあるのが廬山寺、すなわち紫式部の邸宅跡と伝わる場所です。
とすると、紫式部と藤原道長はとてもご近所に住んでいたことになります(ちなみに、当時の御所は現在の場所ではなく2kmほど東に離れた場所にありました)。
そう思ってドラマを見ると、また違った見え方がしてくるかもしれません。
ところで、NHKのドラマの公式サイトでは、毎回「ちなみに日記には」と題して、その回のできごとにちなんだ藤原道長の「御堂関白記」や藤原実資の「小右記」などの記述が紹介されているのですが、そのうちの「御堂関白記」は藤原道長本人の直筆の書が残されています。
国宝はもとより、現存する世界最古の直筆日記としてユネスコ記憶遺産にも登録されているという代物です。
1000年以上も残る和紙の素晴らしさもありますが、子孫の家が現在まで続き、大切に保管され続けてきたことに驚きを禁じえません。
土御門第跡に立って「ここで御堂関白記が書かれたのか」と想像してみるのも一興かもしれません。