『ハインリッヒの法則』とは、「1件の重大な事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害が隠れていて、その背後には300件ものヒヤリ・ハット事案がある」ということを、アメリカの損保会社の安全技師であったハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ氏が、5,000件以上の労働災害を調査した結果から導き出した労働災害の経験則です。
この法則を聞いたことがなくても、『ヒヤリ・ハット』は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
『ヒヤリ・ハット』とは、”「ヒヤッとした」「ハッとした」危険なことは起こったものの、幸いにも災害には至らなかった事案”のことです。
つまり、『ハインリッヒの法則』では「大きな事故は、小さなミスや異常が積み重なって引き起こされるもの。重大事故を防ぐには、小さなミスやヒヤリ・ハットを正確に把握し、的確な対策、再発防止策や予防策を講じることが重要である」ということを注意喚起しているわけです。
特に事故の発生が人の生死に直結する医療・介護、交通の分野で危機管理対策として取り入れられているだけでなく、建設現場の労働災害や、近年ではクレーム対応やコンプライアンス強化などにもこの『ハインリッヒの法則』が幅広く活用されているようです。
最近職場内で、ミスやヒヤっとすることが増えてきたりしていませんか?
事前に防げたので「結果オーライ」なのではなく、その先には重大な事故の可能性が潜んでいるという危機管理意識をもつことが非常に重要となります。
ヒヤリ・ハットの事例を見逃さず、報告を徹底して状況を迅速・正確に把握できる仕組みをつくり、的確な予防策をとっていくことが大事です。